当社では主に業務用シャンプー、リンス、毛染め液など美容・理髪用製品を製造・販売しています。春日井工場に併設された物流センターでは、本社からの受注情報に基づいて、出荷商品のピッキングおよび発送業務を行っています。
一日の作業サイクルは、朝受け取った受注情報を、夕方までに順次発送するもの。作業者は倉庫のどこに何があるか、在庫情報を熟知しておく必要があり、従来は熟練度によって作業効率が大きく違っていました。
そのため今まで一日に物流センターでこなせる量は400品目程度。繁忙期や緊急時には人員を増やして対応してきましが、処理しきれず、お客様に遅配の連絡をすることもありました。
また従来、商品はケースか単品かに関わらず、大きなパレット上に混在して置いていました。このため収納にムダも多く、倉庫スペースが有効に使えていないことも課題でした。
新たなシステムの導入にあたって要望したポイントは、「ミスのない出荷ができる」「緊急時の増員にも対応できる」、この2点でした。特に作業者の熟練度に頼らず、シンプルかつミスなく操作できるシステムが不可欠でした。
2006年2月に本格稼働した今回のシステムでは、商品を箱ごとに置く「ケース棚」と、単品ずつ置く「ばら棚」に分類して収納する方法を採用。システムの本体であるターミナル(管理側)とナビ付きカート(端末側)が連動していて、ムダなく効率的にピッキング作業を進められるようになりました。
通常は4名の作業者が各1台のカートで作業を行っています。本社から受け取った受注データをまず作業者別に割り振ります。作業者はナビ付きの端末を操作し、その指示に従って棚までカートを移動させて、商品コードをチェック。商品を棚から取り出し、カートに入れていきます。作業が進むにつれて、画面の商品(絵)が減っていくので、ゲーム感覚で商品をピッキングできる点も作業者には好評なようです。指示された商品を全て棚からカートにのせて、出荷場に集め作業は終わります。
このシステムの導入によって、効率は格段に向上しました。従来と比べて、作業効率は約2.5〜3倍アップ。当日の受注分を翌日に繰り越すこともなくなりました。繁忙時は2台増の計6台で対応していますが、未経験者でも難なく処理できています。
また、補充管理で欠品などの予測ができ、適正な在庫管理が可能になりました。今までは2カ月分の在庫商品を倉庫に山積みしてありましたが、今では10日分まで減少させています。